Guest Contribution 03
板谷さんは、東北太平洋沿岸を結ぶロングトレイル「みちのく潮風トレイル」を運営するNPO法人みちのくトレイルクラブの職員で、名取トレイルセンターのセンター長。アパレルの仕事を経て50代で第二の人生を模索するなか、「歩くことで震災と向き合いたい」とみちのく潮風トレイルに飛び込み、全線1,025kmを47日間で踏破。そのまま吸い込まれるように名取市に移住し、現在の活動へとたどり着きました。2022年には憧れのPCT(4,265km)を6ヶ月かけて完歩。TRAIL NAMEは「BooBoo」。柔らかな雰囲気とこんなかっこいい生き方が、九州のハイカーたちから「学兄ちゃん」と慕われる理由です。
そんな学兄ちゃんが、「九州のみんなに会いたい、歩きたい」という想いを胸に、はるばる東北からやってきてくれた九州自然歩道福岡セクションの旅。「BooBooLOG」、その結末をどうぞお楽しみください。
Day 4:油木ダム付近から英彦山ホテル和へ
Distance:約13km
天気予報で夜半から雨を覚悟していましたが、朝起きてもまだ雨は降っておらず、雨が降り出す前にといつもより早く撤収して出発しました。前日に油木ダムには辿り着いたのですが予定していたポイントではなかったので、少し戻る形にはなるけどそこまで行こうと歩き出し、再び九州自然歩道の緑色の標識に出会いホッとしました。
公園みたいなところで朝ごはんを食べていると、見覚えがある車が下りてきて何かを探しているようにゆっくり走ってきました。えっ、クガさん?!前日のライングループでのやり取りもあり、天候もあり、クガさんが様子を見に来てくれたのでした。まだ朝の七時だというのに!車の中でいただいた暖かいコーヒーも嬉しかったですが、なによりお気持ちが本当にありがたかった。この後、雨模様の1日もずっとほっこりと歩くことが出来ました。こうして、毎日誰かのお世話になりながら歩けていた九州自然歩道でした。
その後8時くらいにリスタート、水位が異常に下がった 油木ダムの湖底に沈んだ暮らしの跡を探してみたりしながら、湖畔の道を歩きました。早咲きの桜なのか杏なのか、ちょうど花が咲き始めた沿道の里の景色を楽しみながら歩けたこの日この時のハイキングは、歩く距離が短くてゴールは宿泊施設だっていうこともあいまって、小雨模様であってもこころ穏やかで気持ちが良く歩けた時間として印象に残っています。
英彦山麓の高木神社前の集会所の軒先にお邪魔して小休止。下にはプールがあって、このプールに入るためだけにこのルートを夏に歩いてもいいな、と思ったりしました。うーんでも暑か、そもそも今も夏には営業しているのか、などとどうでも良いことをぼーっと考えながらお菓子と自動販売機の缶コーヒーでコーヒーブレイク。こんな風にゆっくりした時間も、歩き旅ならではの楽しいひとときです。
そしてこの日のハイライト、英彦山への登山道。歴史を感じる石畳の道を歩きます。途中大規模な伐採をしている現場を通り、雨と重機のキャタピラでどろどろになった林道で両足を取られて踝くらいまでがずぶずぶの泥だらけになります。これからホテルに泊まるというのにひどい有様になり焦りましたが、途中に沢があったので両足とも裸足になって靴や靴下を洗い、ちょっと見はわからないようにはなりました。ちなみに作業用林道に引っ張られてルートを少し逸れて遠回りをいたので、大した距離ではないですが歩く時はお気をつけください。
そんなこんながありながら昼頃には英彦山ホテル和に到着。 チェックイン時間にはまだ早かったですが、先にお風呂には入っても良いとのお言葉に甘えて、貸し切りの入浴。最高でした。ややストイックなハイカー気分から、贅沢な大人の休日気分への突然の切り替わりです。調子に乗って素泊まりプランから二食付きのプランに変更してもらい、部屋で洗濯したりしてすっきりして、ゆっくり休養したのでした。
Day 4のひとこと
「地域経済への貢献もハイカーには必要、という言い訳」
Day 5:英彦山〜小倉へ
Distance:ハイキング約7km
迎えに来てくださるヨコタさんの、さらにありがたいご好意で「英彦山に登りたいならその時間に合わせるよー」というお言葉に甘えて、せっかくなので少しだけ早くチェックアウトして英彦山に登ることにしました。たくさんルートがあって迷った結果選択した道は、後から聞くとやや裏通りだったようです。どうりで土曜日だというのに人にあまり合わなかったわけです。この時はもうまさにピークハントのみで、せかせかと登って下りてきました。
そして12時にホテルでヨコタさんと待ち合わせ。ラグジュアリーな車で迎えに来ていただき、旅の想い出、やらかした話などを聞いていただきながら、資さん本店(小倉の名物うどん店)でご馳走にまでなり、小倉まで送っていただき”旅と道具の店HouHou“まで連れて行ってもらいました。楽しいひととき、ありがとうございました!
この日の宿であるカプセルホテルに一度チェックインして軽く入浴し、再びHouHouにお伺いして、憧れのHouHou.Fmに出演、収録をしてもらいました。(「エピソード56マナブにいちゃんの回」をどうぞ)
ユウスケさん、ミサトさんにいろいろとお話を聴いていただき、打ち上げまで連れて行ってもらいました。これまた、夢のようなひとときでした、
こうして、皆さんに至れり尽くせりに良くしてもらいながら、僕の九州自然歩道福岡セクションの旅は終わったのでした。
Day 5のひとこと
「車って速いね」
「はじめに」で書いたように、まさに想い出日記になってしまいましたが、一ヶ月以上経った今もあの5日間の楽しかったことはつい昨日のことのようで、ひとつひとつの皆さんとの想い出は今も僕のこころを暖めてくれます。
はじめての九州自然歩道福岡セクション、当初の秋月集落までの予定を短縮してはしまいましたが、皿倉山から英彦山へのルートは毎日毎日違ったハイライトがあって体験にバリエーションがあり、自然歩道と里歩きのバランスも絶妙で、九州ハイカーの皆さんとの想い出を別にしても、ハイキングそのものがとても楽しいものでした。思ったより自然歩道を歩くセクションが多くてタフなルートでしたが、この道を決めた時にできるだけなんとか自然の中を歩けるようにと苦労してルート選定されたのでは、と当時携わった先人たちの気持ちに感動もしました。
自然歩道を抜けた時に現れる里には端正に整えられている地域が多くて、住んでいる方たちの地元愛も感じられて、歩いていてとても気持ちがよかったです。特にこの季節は、里に下りた時に漂ってくる梅の花の優しい香りを感じながら歩くことが出来て最高でした。
将来的には九州一周のスルーハイクをしたいと考えていますが、その前に佐賀方面と大分方面を繋ぐ「ヨコイチ」も歩きに来たいと思っています。今度は“這々の体”にならないように、身体をもう少し鍛えて臨みたいと思います。
最後になりますが、暖かく迎え入れてくださった九州ハイカーの皆さま、本当にありがとうございました。
そして、長い想い出話に付き合ってくださった皆さま、ありがとうございました。
歩き旅はやっぱり楽しいです。

コメント