BooBooLOG #1

Guest Contribution 01

宮城県在住の板谷学(いたや まなぶ)さんによる寄稿レポートをお届けします。
板谷さんは、東北太平洋沿岸を結ぶロングトレイル「みちのく潮風トレイル」を運営するNPO法人みちのくトレイルクラブの職員で、名取トレイルセンターのセンター長。アパレルの仕事を経て50代で第二の人生を模索するなか、「歩くことで震災と向き合いたい」とみちのく潮風トレイルに飛び込み、全線1,025kmを47日間で踏破。そのまま吸い込まれるように名取市に移住し、現在の活動へとたどり着きました。2022年には憧れのPCT(4,265km)を6ヶ月かけて完歩。TRAIL NAMEは「BooBoo」。柔らかな雰囲気とこんなかっこいい生き方が、九州のハイカーたちから「学兄ちゃん」と慕われる理由です。

そんな学兄ちゃんが、「九州のみんなに会いたい、歩きたい」という想いを胸に、はるばる東北から九州自然歩道福岡セクションへやってきてくれました。「BooBooLOG」と名付けてくれた旅の記録を、全3回でお届けします。どうぞお楽しみください。
はじめに

宮城県在住ハイカーの板谷学です。

東北太平洋岸を南北につなぐ「みちのく潮風トレイル」の運営管理団体「NPO法人みちのくトレイルクラブ」職員で、名取トレイルセンターのセンター長をしています。2026年3月に九州自然歩道福岡セクションの一部を歩いた想い出を、こちらで書かせていただくことになりました。 “YOULOG”へのオマージュで、ちょっと調子に乗って、PCTを歩いた時の僕のTRAIL NAME を入れて“BooBooLOG”と名付けてみました。 3月3日から7日までの4泊5日、実質4.5日のハイキング、想像を遥かに超える楽しい旅でした。 ハイキングのログというより、九州のハイカーの皆さんとの想い出日記になってしまいそうですが、お読みいただけたら嬉しいです。

BooBooは何しに九州自然歩道へ?

何しに?というより、なんで?という話ですが、ここ何年か参加していた”cafe&bar tent.”主催の”into the tent.”に今年は諸事情で行けなかったのがとても残念で「九州のみんなに会いたい」がまずありました。 それとは別に「どこかに歩きに行きたい」もありました。 2022年にPCTを歩いてから、泊りがけの山行には毎年出かけてはいたもののロングトレイルは歩けていなかったし、ハイカー仲間たちが国内外のトレイルを歩いているのをSNSで見て”羨ましがっているおじさん”にもそろそろ限界が来ていたのです。

「会いたい」と「歩きたい」を考えていたら、「そうだ!九州自然歩道へ行こう!」という二つを組み合わせたアイデアが降りてきました。 3月初旬なら一週間くらい休めそうだし、歩くのに季節的にも良さそうだ。 早速各方面にお伺いを立てた結果、無事に職場と家庭のパーミット*も取れて、シュウさんに「歩きに行きます!」と連絡したのが1月の終わりだったでしょうか。 アイデアを降ろしてくれたハイキングの神様に感謝です。

*パーミット(許可証)···ロングトレイル(特にアメリカのPCTやJMT)を歩く時、自然環境保護と混雑緩和のために必要不可欠な入山・宿泊許可(Google AI)。
今の僕には、宿泊を伴うハイキングの場合、この二種類のパーミット取得は必要不可欠なものです。

Day 0

そんなわけで、2026年3月2日、仙台空港から福岡空港に向かう飛行機に乗って旅立ちました。 前夜祭的にtent.に伺えたらと思ってシュウさんに事前に連絡していたところ、「その日、お店は定休日なので飲みにいきましょう」と嬉しいお誘いをいただいていたので、いそいそと福岡空港から門司港へ移動。 午後4時半に出発して門司港に着いたのが午後8時半でした。

駅にはコウスケさんご夫妻が車で待っていてくれて恐縮しました。 宴の会場のゲストハウス「ポルト」まで連れて行っていただき、部屋に入ると大勢の皆さんがいらっしゃいました。 月曜日の、しかも割と遅めの時間なのに! 声をかけてくれたシュウさんももちろんですが、集まってくださった皆さんにも本当に大感謝です。 用意してくれた食べ物もとても美味しかったです。 楽しいひとときをありがとうございました!

その場でライングループが作られて「なにかあったら誰かしらが駆けつけるから」という嬉しいお言葉。 そして、「最終日は迎えに行くから」というヨコタさんのお申し出もあり、更に次の日はシュウさん、トモミさん、クガさんも一緒に歩いてくれることも決まって、「歩く前からこんなに嬉しいことばかりでいいんですか!?」という状態で九州自然歩道の旅はスタートしたのでした。

Day 0のひとこと

「おもてなしハラスメントにもほどがあるー」

Day 1:皿倉山〜鱒渕ダム付近

Distance:約20km

クガさんが車を出してくれてシュウさんと二人で朝7時に迎えに来てくれました。 途中でトモミさんも合流して、いざスタート地点の皿倉山へ。 この日は火曜日でケーブルカーはお休み。 当初は公共交通機関で登山口まで行って歩いて登る覚悟でしたが、車を出してくれているクガさんから、一度山頂近くまで車で行ってシュウさんと僕を降ろしてくれてから下に駐車、クガさんとトモミさんは歩いて登って合流という年長者に優しい提案があり、シュウさんと二人で山頂の記念撮影をしたりしながら体力を温存出来ました。 皿倉山の有名な九州自然歩道のモニュメントをリアルに見ることが出来て、静かに感動しました。

ほどなくお二人も登ってきて、小雨が降る中いよいよスタート。 ほぼ森歩きなので雨は気になりませんが、前日の雨もあってか下る道がぬるぬるしてちょっと腰が引けます。 と思っていたらかなり序盤でツルっと転倒して、バックパックの重さで変に身体が一回転して、トレイル上で1mぐらいゴロッと落ちました。 一瞬緊張した空気になりますが、怪我がなかったことがわかって瞬間で笑いに変わりました。 「ワンアウトー!」。 ここから、スリーアウトで退場その人はハイク終了、という謎の厳しいルールが発動され、ぬるぬる歩きに真剣さが増したのでした。

福智山までのルートは、今だから告白しますがかなりキツかったです。 5日分の食料とテント泊装備を担いでいたというのも勿論ありますが、何より身体がなまったままで準備しないで来てしまったのが一番の反省です。 寒さにかまけて休みの日は引きこもりがちで、足慣らしで歩こうと思いながらさぼってしまったことを後悔しながら、ひいひい登ったり下りたりしていました。 登りはお尻の筋肉を使うんだ!と言い聞かせてみたところでそれどころではありません。 ふくらはぎが破裂するんじゃないかと真剣に心配しました。 後半は口数も減っていたのではないでしょうか。 シュウさんの「がっつり登るのはこれが最後だな」という優しい甘露のような言葉も、何回か聞くうちに効力がなくなり、弱音が漏れないように口を押さえながらなんとかみんなについて行くという有様でした。

からす落としルートを使って下りましたが、それほどイージーな下りではなかったので、舗装路に出た時には情けないぐらいホッとしました。

初日から九州自然歩道の洗礼を受けて這々の体で歩きましたが、このルートを4人で歩けたことはとてもありがたかったです。 ぬるぬるした下り坂をキャーキャー言いながら歩いたこと、他愛もない話で盛り上がったこと、尺岳の東屋でクガさんが淹れてくれたコーヒーを飲みながら食べたずんだ餅、ちょっとでも楽をしようと使った林道歩きで結局むしろ急登を歩く羽目になったこと。 多分今後誰も使わないであろうマナブ新道、弱った僕にさりげなく付き添ってくれていたトモミさん。 1ヶ月経った今でも、この日のハイキングを思い出すといろいろとほっこりします。 一人で歩くことが多くてそれはそれで好きなのですが、こうしてこの日にみんなで歩けたことは本当に楽しかったです。 1人で歩いたら多分予定通りの行程を歩けなかったような気がします。 シュウさん、トモミさん、クガさん、ありがとうございました。

Day 1のひとこと

「”ほうほうのてい”って久しぶりに使ったけど”這々の体“って書くんだね」

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